たまてごぜんのこい |
| 玉手御前の恋 |
冒頭文
一 戯曲に於ける類型の意義 ……おもはゆげなる玉手御前。母様のおことばなれど、いかなる過去の因縁やら、俊徳様のおんことは、寝た間も忘れず恋ひこがれ、思ひあまつてうちつけに、言うても親子の道を立て、つれない返事堅い程尚いやまさる恋の淵。いつそ沈まばどこまでもと、跡を慕うてかちはだし蘆の浦々難波潟身を尽したる心根を不便と思うてとも〴〵に、俊徳様のゆくへを尋ね、めをとにしてくださんすが、親のお慈悲と手
文字遣い
新字旧仮名
初出
「慶応義塾歌舞妓研究会講演」1947(昭和22)年6月12日<br>「演劇評論 第二巻第四号」1954(昭和29)年4月
底本
- 折口信夫全集 22
- 中央公論社
- 1996(平成8)年12月10日