しばいのはなし |
| 芝居の話 |
冒頭文
○此頃いくらか、芝居が嫌ひになれた様な気がする。性根場になつて、どうにもこらへられないで、とろ〳〵する事が多い。其でも尚芝居に行つて、廊下を歩く気持ちがよくて、やめられないと言ふ人もある。私もさうかと考へて見たが、廊下で知り人などに会ふのは、思つても愧しい。幸と、しげ〳〵出入しながら、芝居で、あんまり人に会うて、赧い顔をした事がない。私の知つた範囲には、芝居ぎらひが多いからであらう。ひよつとすると
文字遣い
新字旧仮名
初出
「日光 第一巻第四・五号」1924(大正13)年7・8月
底本
- 折口信夫全集 22
- 中央公論社
- 1996(平成8)年12月10日