しばいにでたなごりほしづきよ
芝居に出た名残星月夜

冒頭文

あなたは確か、芝居の噂などは、あまりお嗜きでなかつた様に思ひます。併し、此だけは一つ、是非お耳に入れて置きたい、と思ふのです。そちらでも、東京の新聞は御覧になつて居ませう。坪内博士の「名残星月夜」が、五月狂言として、歌舞伎座に出たことは、もう御承知の事、と思ひます。あの脚本が、始めて中央公論に出た時、あなたも、坪内さんに宛てゝ、大分長いものを、お書きになりましたね。あれから、余程たちますので、その

文字遣い

新字旧仮名

初出

「歌舞伎の研究 第一輯」1950(昭和25)年10月

底本

  • 折口信夫全集 22
  • 中央公論社
  • 1996(平成8)年12月10日