しぜんにょにんとかぶきおんな ――しんうたえもんによするきぼう――
自然女人とかぶき女 ――新歌右衛門に寄する希望――

冒頭文

いよ〳〵芝翫が歌右衛門を襲ぐさうである。考へれば、大変成長したものであるが、一往此辺で、飛躍の階梯を作るのに、双手をあげて賛成する。それは昭和の歌舞妓芝居から、最意味のある功労賞を贈るとすれば、まづ海老蔵と此人とに贈るのが、当を得た功績をあげてゐると思ふからである。かう言ふ言ひ方が、誇張した言ひ分の様に受けとられるかもしれぬが、私はちつとも大袈裟にものを言つてゐるつもりではないのである。あの戦争の

文字遣い

新字旧仮名

初出

「花道 別冊六世中村歌右衛門襲名記念号」1951(昭和26)年5月

底本

  • 折口信夫全集 22
  • 中央公論社
  • 1996(平成8)年12月10日