ざっかん |
| 雑感 |
冒頭文
一 へるまあの喜劇「人形の家」 久しぶりで又、「人形の家」が、町の話題に上つてゐる。松井須磨子の初演以来、今度が、幾度目になるのか、ちよつとには考へ浮ばぬ年月である。いつまでも素人抜けのせぬ様に言はれて来た新劇の人々も、随分鳥居の数は潜つて来てゐるのである。だから存外此戯曲なども、漠とした賑やかな印象ほどには、然ういろんな劇団で、とりあげて来て居なかつた様にも考へられる。何分新劇の興行年表も持たず
文字遣い
新字旧仮名
初出
「時事新報」1946(昭和21)年3月9日〜15日
底本
- 折口信夫全集 22
- 中央公論社
- 1996(平成8)年12月10日