くさぞうしとこうしゃくのせかい |
| 草双紙と講釈の世界 |
冒頭文
飜案物と言へば、少し茫漠とするが「書き直し物」で通つてゐる種類の脚本がある。歌舞妓根生ひにでなく、他の読み物・語り物・謡ひ物から題材の出てゐる狂言を言ふ語なのだが、歌舞妓の性質から、も一つ特殊な分類を示す語にもなつてゐる。曾我物・浅間物・伊達物などと言ふ風に、一つ題材の狂言をくり返してゐるものは、其主要な事件や、人物を据ゑ置いて、脚色を替へると言ふ方法が行はれてゐた。今度昼夜に分けて舞台にかけられ
文字遣い
新字旧仮名
初出
「新橋 六月興行大歌舞伎」1949(昭和24)年6月1日
底本
- 折口信夫全集 22
- 中央公論社
- 1996(平成8)年12月10日