まいとおどりと
舞ひと踊りと

冒頭文

日本の芸能には古代からまひとをどりとが厳重に別れてゐた。いろんな用例からみても、旋回運動がまひ、跳躍運動がをどりであつた事が明らかである。芸能と言ふより、むしろ生理的な事実について言つてゐるのである。だから宗教者が、ある時興奮状態におちいつて、その心理作用が生理的条件をつき動して表現せられるとき、ある場合は旋回運動としてはげしく、又はゆるく舞ふ事になる。又時としては跳躍運動として、その興奮の程度に

文字遣い

新字旧仮名

初出

「芸能復興 創刊号」民俗芸能の会、1952(昭和27)年10月

底本

  • 折口信夫全集 21
  • 中央公論社
  • 1996(平成8)年11月10日