ぶんげいのちから じだいのちから
文芸の力 時代の力

冒頭文

あゝ言ふ時代別けは、実はおもしろく思はぬのだが、一往は、世間に従うておいてよい。東山だの、桃山だの、と言ふ称へである。この所謂東山時代・桃山時代、其に似た心持ちを、十分に持つた江戸の元禄時代、此等の時期が、日本の芸術・文学の、大いに興つた時代、と言ふことになつてゐる。此には、異存はない。歴史の上の、著しい事実だからである。だが、此時代が、健全な時代であつたか。此反省は真に、それ〴〵の時代に、同(ド

文字遣い

新字旧仮名

初出

「国文学叢話」1944(昭和19)年11月刊行

底本

  • 折口信夫全集 21
  • 中央公論社
  • 1996(平成8)年11月10日