しんしゅうにいののゆきまつり |
| 信州新野の雪祭り |
冒頭文
前代文明の残溜地 東海道の奥から、信州伊那谷へ通じてゐる道が、大体三通りあります。其中、一筋は遠州から這入るもの、他の二筋は三河から越える道です。その真中にあたる道が、丁度花祭りの行はれる三州北設楽(シタラ)の村々を通つてゐるので、極僅かな傾斜を登ると、すぐ信州領になつてゐます。所謂新野(ニヒノ)峠が其境目で、此から半里も下ると、旦開(アサゲ)村新野の町になるのです。而もこゝは、西へも北へも、或は
文字遣い
新字旧仮名
初出
「民俗芸術 第三巻第五号」1930(昭和5)年5月
底本
- 折口信夫全集 21
- 中央公論社
- 1996(平成8)年11月10日