げいのうみんしゅう
芸能民習

冒頭文

あまり世の中が変り過ぎて、ため息一つついたことのなかつた我々も、時々ほうとすることがある。鳥が粟を拾ふやうにと言ふが、ほんたうに零細な知識を積んで来た私どもの学問も、どうかかうか、若い人たちが継承して行つてくれるに任せるほかはない。そんな妙な方法で、学問と言へるのか、変な学問もあつたものだと言はれ〳〵して来た私たちの研究も、おのづから中絶する日が、そこに見えて来た。人の用意してをつた知識を素直に受

文字遣い

新字旧仮名

初出

「新小説 第四巻第八号」春陽堂、1949(昭和24)年8月

底本

  • 折口信夫全集 21
  • 中央公論社
  • 1996(平成8)年11月10日