くさずもうのはなし
草相撲の話

冒頭文

我々には、相撲と言へば、春場所・夏場所の感じだけしかなくなつたが、誹諧の季題では、これが秋の部に這入つて居る。宮廷の相撲の節会が、初秋の行事だつたからである。しかし、実際に諸国の村々では、今でもこれを秋に行つて居るところが多い。宮廷では、早くに、すべての行事が整頓せられて、相撲節会なども出来たのであるが、これは、村々の行事がとり入れられたと見るよりも、宮廷も、もとは一箇の邑国であつたので、その当時

文字遣い

新字旧仮名

初出

「郷土科学研究 第一号」1931(昭和6)年9月25日

底本

  • 折口信夫全集 21
  • 中央公論社
  • 1996(平成8)年11月10日