かみにぎわいいっぱん
神賑ひ一般

冒頭文

静かな秋冬が来る。わが国も、幸福な月日が廻つて来て、神の心も明るくなつて来て居られることゝ思ふ。秋からさきは神事が多く、従つて神の心を賑はし申す行事が、社々で行はれる。耳を澄すと、どこの野山、かしこの町中などに、必日毎に神祭りの楽器の音がしてゐる。秋ばかりに限つた事ではないが、此時期にかう言ふ神事の多く行はれるのは、理由のあることである。祭りがあると、芸能めいた所謂神賑ひの行はれるのが普通である。

文字遣い

新字旧仮名

初出

「明治神宮祭の栞」1949(昭和24)年11月

底本

  • 折口信夫全集 21
  • 中央公論社
  • 1996(平成8)年11月10日