かぐらき
神楽記

冒頭文

神楽と言ふ名は、近代では、神事に関した音楽舞踊の類を、漠然とさす語のやうに考へてゐる。さう言ふ広い用語例に当るものとして、神遊(カミアソ)びと言ふ語があつたのである。一体日本古代の遊びとか舞ひとか言はれるものには、鎮魂の意義が含まれてゐる。「神遊」は、神聖な鎮魂舞踊とか、或は神自ら行ふ舞踊(アソビ)とか言ふ意味らしいのである。其神遊びの一種として、平安朝の中頃から宮廷に行はれ始めたのが神楽で、最初

文字遣い

新字旧仮名

初出

「実演による日本舞踊史の展望 プログラム」1949(昭和24)年7月

底本

  • 折口信夫全集 21
  • 中央公論社
  • 1996(平成8)年11月10日