「やしま」かたりのけんきゅう
「八島」語りの研究

冒頭文

春のはじめに、私は「八島」を語らうと思ひ立つた。ところは屋島であり、祝つて八島・矢島と言ふやうな字面を何時の代からか、用ゐ出した勝ち修羅物である。一つは、此国の昔に戻つた気風の漲つて居る時である。一つは、白秋さんの生国柳川に近い昵み深い大江の幸若の舞の詞にも、縁の濃いもので、この親友の健康を祝賀する心には、大いに叶ふものがあると思ふのである。又私にも一つ、之を古く筆記して残しておいてくれた伊藤良吉

文字遣い

新字旧仮名

初出

「多磨 第八巻第二号」1939(昭和14)年2月

底本

  • 折口信夫全集 21
  • 中央公論社
  • 1996(平成8)年11月10日