「なよたけ」のかいしゃく
「なよたけ」の解釈

冒頭文

その頃、目に故障を持つてゐた戸板君が、戦争に出ることになつた。案じてゐると、もうどつかで苦しんでるだらうと思ふ時分、ひよつくり帰つて来た。よかつたねと言つてゐると、其場ですぐ言ひ出した。これもやはり南の方へ出て行つた加藤道夫君が、その以前書いておいた「なよたけ」が、雑誌に出はじめたから、其を読め〳〵、と大層慂めるのである。其で、三田文学に出てゐる間割合によく読んでおいた。戦争の後、読む書物のない時

文字遣い

新字旧仮名

初出

「演劇 第一巻第三号」1951(昭和26)年8月

底本

  • 折口信夫全集 22
  • 中央公論社
  • 1996(平成8)年12月10日