さばくのびき
沙漠の美姫

冒頭文

一 「君は王昭君(おうしょうくん)をどう思うね?」 私は李白(りはく)にこうきいてみた。 と、李白は盃を置いたが、 「まあK君これを見てくれたまえ」紙へサラサラと詩を書いた。 昭君払玉鞍(しょうくんぎょくあんをはらい)。上馬𠽜紅頬(うまにのぼりてこうきょくなく)。今日漢宮人(こんにちかんきゅうのひと)。明朝胡地妾(みょうちょうこちのしょう)。「成程(なるほど)」と私は薄ら笑いをしたが、「ほ

文字遣い

新字新仮名

初出

「サンデー毎日」1928(昭和3)年4月22日

底本

  • 国枝史郎探偵小説全集 全一巻
  • 作品社
  • 2005(平成17)年9月15日