ようじょうのこころえ
養生の心得

冒頭文

總論 一、人間生涯の内、體ほど大切なるものはなし。諺に云ふ通り命の物だねなれば、何職何商買に限らず、先第一己の體を養生し、病氣に懸らぬよう注意て、其上病む時は早く醫治を受けて、天壽を終るの道を知る事、人間要用の心得なるべし。 一、醫は病氣を治す計りの職業に非ず。其病氣の出來ぬように養生法を吟味し人に傳へて、千人病むものは五百人にてすみ、五百人は二百にてすむように致し、其上病むものは

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 福澤諭吉全集 第20卷
  • 岩波書店
  • 1963(昭和38)年6月5日