めいさい
迷彩

冒頭文

○ この間私はある方面から質のいい古い唐紙を手に入れましたので、戯れに興味描きを試みまして、知合いの人にも贈ったりしました。唐紙の古いのは、ガサガサした塵埃が脱(ぬ)けているような気がして大そう筆の運びがいいように思います。紙もそうですが、画絹も質(たち)のよし悪しで、仕上がった後に画品への関係がよほどあるように思います。画絹の質は、人によっていろいろ好き嫌いがあるのでしょうから、一概には言

文字遣い

新字新仮名

初出

「大毎美術 第十八巻第十一号」1939(昭和14)年11月

底本

  • 青眉抄・青眉抄拾遺
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年11月10日