がひつにいきるごじゅうねん ――こうたいごうへいかごかめいがににじゅういちねんかんのしょうじんをこめてじょうのう――
画筆に生きる五十年 ――皇太后陛下御下命画に二十一年間の精進をこめて上納――

冒頭文

今夏は、私は誠にすがすがしい心持でおります。と申しますのは、この六月、皇太后陛下御下命の御用画の三幅双を完成いたしまして、折りから、京都行啓中の陛下に、目出度く上納申し上げ得たからでございます。 新聞紙上に二十一年前からの御用命を果たしたと書かれてありましたが、思えば大正五年の秋、文展第十回展開催中、御用命を拝したのでございましたから、なるほど二十一年の歳月が経ったわけでございます。

文字遣い

新字新仮名

初出

「婦人の友」1937(昭和12)年10、11月号

底本

  • 青眉抄・青眉抄拾遺
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年11月10日