がどうとじょせい ――きくこひめごようの「しゅんじゅうびょうぶ」そのた――
画道と女性 ――喜久子姫御用の「春秋屏風」その他――

冒頭文

高松宮家へ御輿入になる徳川喜久子姫の御調度の一にお加えになるのだからと申すので、旧臣の総代として京都大学の新村博士が私のところに見えられ、御屏風揮毫の御依頼がありました。それをお受けしたのは昨年の九月頃であったろうか。最初の気持では、今の皇太后陛下が皇后宮に居られた頃に御下命を承った雪月花三幅対の図がすでに小下図(こしたず)を差し上げて御内覧まで得ていながら伸び伸びとなっているのを第一として、依頼

文字遣い

新字新仮名

初出

「大毎美術 第九巻第三号」1930(昭和5)年3月

底本

  • 青眉抄・青眉抄拾遺
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年11月10日