にほんだんしろん
日本男子論

冒頭文

明治十八年夏の頃、『時事新報』に「日本婦人論」と題して、婦人の身は男子と同等たるべし、夫婦家(いえ)に居て、男子のみ独り快楽を専(もっぱ)らにし独り威張るべきにあらず云々(うんぬん)の旨を記(しる)して、数日の社説に掲げ、また十九年五月の『時事新報』「男女交際論」には、男女両性の間は肉交のみにあらず、別に情交の大切なるものあれば、両性の交際自由自在なるべき道理を陳(の)べたるに、世上に反対論も少な

文字遣い

新字新仮名

初出

「時事新報」1888(明治21)年1月13日~24日

底本

  • 福沢諭吉家族論集
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1999(平成11)年6月16日