よういむだごと
妖異むだ言

冒頭文

幽霊の中で好いものは、牡丹燈籠のお米である。牡丹燈籠を下げて主人を案内して、恋の仲介をするあたりは、人情があって面白い。 不快な幽霊は小幡小平次で、気の毒な幽霊は小仏小平であろう。 滑稽な化物は唐傘の一本足で、愛嬌のあるのは一ツ目小僧が、大阪の子供に人気のあるのは、酒を買いに行く豆狸である。 路傍で見て凄いのは流灌頂。 妖怪画で面白いのは「百鬼夜行」で、特に光信のそれがよい。狩野芳

文字遣い

新字新仮名

初出

「探偵趣味」1928(昭和3)年3月

底本

  • 国枝史郎探偵小説全集 全一巻
  • 作品社
  • 2005(平成17)年9月15日