はんしちざっかん |
| 半七雑感 |
冒頭文
一 岡本綺堂氏の「半七捕物帳」その主人公の半七に就(つ)いて些(いささか)私見を述べることにする。 「……三十二三の痩ぎすの男で、縞の着物に縞の羽織を着て誰の眼にも生地の堅気とみえる町人風であった。色の浅黒い鼻の高い、芸人か何ぞのように表情に富んだ眼を有(も)っているのが、彼の細長い顔の著るしい特徴であった」 働き盛りの半七といえば、こんなような風貌を持ってたらしい。 「しかしこんな稼業の者
文字遣い
新字新仮名
初出
「新青年 新春増刊号」1926(大正15)年2月
底本
- 国枝史郎探偵小説全集 全一巻
- 作品社
- 2005(平成17)年9月15日