ドイツのはんとすべきてん
独逸の範とすべき点

冒頭文

第一次世界戦争での戦敗国といえば、いうまでもなく独逸(ドイツ)であるが、その独逸(ドイツ)から表現主義文学という、破天荒の形式の文学が産れて、世界の芸術界を驚倒させた。 ゲオルク、カイゼルなどがその代表的作家であり「朝から夜中まで」などがその代表的作品である。 表現主義は、一口にいえば、印象主義に反抗して成立した主義であり、心内の思想なり感情なりを、外界と交渉無しに、端的に放出

文字遣い

新字新仮名

初出

「外交」1940(昭和15)年7月29日

底本

  • 国枝史郎歴史小説傑作選
  • 作品社
  • 2006(平成18)年3月30日