いんしょうにのこったしんさっか
印象に残った新作家

冒頭文

本誌五月号の探偵創作の中(うち)、小舟勝二氏の作「昇降機」を面白く——というよりも夫(そ)れ以上に敬服して読みました。 (1)よく昇降機の性質を知っていて夫れを活用したこと(2)「——四階。客無し。運転継続——五階。停止(ストップ)」というようなテキパキしていて新鮮で要領のよい動的描写(3)橋本が昇降機へ飛び付いてから死ぬ迄(まで)の物凄い光景等々、実に旨(うま)いものだと思いました。全

文字遣い

新字新仮名

初出

「新青年」1927(昭和2)年6月

底本

  • 国枝史郎探偵小説全集 全一巻
  • 作品社
  • 2005(平成17)年9月15日