ふくしひょうじょうのはっせい
副詞表情の発生

冒頭文

一       ——けなばけぬかに 道に逢ひてゑますがからに、零雪乃消者消香二恋云(フルユキノケナバケヌカニコフトフ)わぎも(万葉巻四) ……まつろはず立ち対ひしも、露霜之消者消倍久(ケナバケヌベク)、ゆく鳥のあらそふはしに、(同巻二) 一云ふ、朝露之消者消言(香かと云ふ)爾うつそみとあらそふはしに 私は、今の場合、「けなばけぬかに」を主題としようとするのではない。だ

文字遣い

新字旧仮名

初出

「国文学論究」1934(昭和9)年7月

底本

  • 折口信夫全集 12
  • 中央公論社
  • 1996(平成8)年3月25日