にほんぶんがくのはっせい
日本文学の発生

冒頭文

何度目かの日本文学の発生を書くことになつた。此には、別に序説のやうなものがあつて、此文章と殆ど同時に発表することになつてゐるから、具体的なことを、落ちついて書き進めても、さし支へはないのだと言ふ、安堵のやうなものがあつて、之を書くことが、今のうちは、愉しい気がする。どうぞ、この心持ちが、いつまでも続いてくれるやうにと考へながら、書き出しを作る。      詞章伝承の情熱の起り 伝承する習俗

文字遣い

新字旧仮名

初出

「人間 第二巻第一―四号」1947(昭和22)年1~4月

底本

  • 折口信夫全集 4
  • 中央公論社
  • 1995(平成7)年5月10日