あたらしいこくごきょういくのほうがく
新しい国語教育の方角

冒頭文

一 私くらゐの若い身で、こんな事を申すのは、大層口はゞつたい様で、気恥しくもなるのですが、記者の方の設問が、私の考へ癖に這入つて来ましたので、遠慮ないところを申しあげます。 私などがまづ、今の世間では、一番正当に国学者の伝統を承けた若者と言はゞ言へる人間なのでせう。私の教室でする講義ぶりや表出などを反省して見ましても、亡くなられた恩師三矢重松先生の俤が、あり〳〵自分の内に生きてゐるのに驚かれま

文字遣い

新字旧仮名

初出

「教育論叢 第十三巻第五号」1925(大正14)年5月

底本

  • 折口信夫全集 12
  • 中央公論社
  • 1996(平成8)年3月25日