つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧

冒頭文

藪原(やぶはら)長者「福島は今日から馬市(うまいち)で、さぞまあ賑(にぎ)わうことだろう」「福島の馬市も馬市だが、藪原の繁昌(はんじょう)はまた格別じゃ。と云って祭りがあるのではないが、藪原長者の抱妓(かかえこ)の中に鳰鳥(におどり)という女が現われてからは、その顔だけでも拝もうとして、近在の者はいうまでもなく遠い他国(くに)からも色餓鬼(いろがき)どもが、我(われ)も我もと押し出して来て、夜も昼

文字遣い

新字新仮名

初出

「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月

底本

  • 蔦葛木曽棧【下】
  • 大衆文学館、講談社
  • 1997(平成9)年1月20日