まんようしゅうけんきゅう
万葉集研究

冒頭文

一 万葉詞章と踏歌章曲と 万葉集の名は、平安朝の初め頃に固定したものと見てよいと思ふ。この書物自身が、其頃に出来てゐる。此集に絡んだ、第一の資料は古今集の仮名・真名両序文である。これを信じれば、新京の御二代平城天皇の時に出来た事になるのである。従つて此集の名も、大体此前後久しからぬ間に、纏つたものと見てよさゝうである。 詩句と歌詞とを並べた新撰万葉集や、古今集の前名を「続(シヨク)万葉集」と言

文字遣い

新字旧仮名

初出

「日本文学講座 第一九巻」1928(昭和3)年9月

底本

  • 折口信夫全集 1
  • 中央公論社
  • 1995(平成7)年2月10日