こだいせいかつにみえたれんあい
古代生活に見えた恋愛

冒頭文

一 今日伺ひまして、お話を聴かして頂かうと思ひました処が、かへつて私がお話をせなければならない事になりました。恋愛の話は、只今の私には、最不似合な話であります。併(しか)し、歴史的な話でもといふので、何かさせていたゞきます。 此恋愛といふものは、段々進化して、知識的になつて来て居りまして、大分、そこに遊びが這入つて来て居る。或は、知識的に誤解が這入つて来て居る。若い時分の経験を顧みますと、男と

文字遣い

新字旧仮名

初出

「人生創造 第二五号」1926(大正15)年6月

底本

  • 折口信夫全集 1
  • 中央公論社
  • 1995(平成7)年2月10日