きょういくのもくてき
教育の目的

冒頭文

この一編は、頃日(けいじつ)、諭吉が綴るところの未定稿中より、教育の目的とも名づくべき一段を抜抄(ばっしょう)したるものなれば、前後の連絡を断つがために、意をつくすに足らず、よってこれを和解(わげ)演述して、もって諸先生の高評を乞う。 教育の目的は、人生を発達して極度に導くにあり。そのこれを導くは何のためにするやと尋ぬれば、人類をして至大の幸福を得せしめんがためなり。その至大(しだい)の

文字遣い

新字新仮名

初出

「東京学士会員雑誌 第1号」1879(明治12)年6月

底本

  • 福沢諭吉教育論集
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1991(平成3)年3月18日