やまごしのあみだぞうのがいん
山越しの阿弥陀像の画因

冒頭文

極楽の東門に 向ふ難波の西の海 入り日の影も 舞ふとかや 渡来文化が、渡来当時の姿をさながら持ち伝えていると思われながら、いつか内容は、我が国生得のものと入りかわっている。そうした例の一つとして、日本人の考えた山越しの阿弥陀像(あみだぞう)の由来と、之が書きたくなった、私一個の事情をここに書きつける。 「山越しの弥陀をめぐる不思議」——大体こう言う表題だったと思う。美術雑誌か何かに出たのだ

文字遣い

新字新仮名

初出

「八雲 第三輯」1944(昭和19)年7月

底本

  • 昭和文学全集 第4巻
  • 小学館
  • 1989(平成元)年4月1日