たあそびまつりのがいねん
田遊び祭りの概念

冒頭文

一 田遊び・田儛ひ・田楽 日本には、田に関する演芸が、略三種類ある。第一は、田遊びである。此行事は、余程、古くから行はれたものと思ふ。次は田儛ひで、此も、奈良朝以前既にあつた。第三は、平安朝の末に見え出して、鎌倉に栄え、室町に復活した、田楽である。 田遊びは又、春田打ちとも言ふ。所によつては、此を暮れに行ふ事もあるが、多くは正月に行ふので、現在でも、新旧の正月に此を行ふ地方が、まだ方々にある。

文字遣い

新字旧仮名

初出

「民俗芸術 第二巻第九号」1929(昭和4)年9月

底本

  • 折口信夫全集 3
  • 中央公論社
  • 1995(平成7)年4月10日