さんごうこうだん
三郷巷談

冒頭文

一 もおずしやうじん 泉北郡百舌鳥(モズ)村大字百舌鳥では、色々よそ村と違つた風習を伝へてゐた。其が今では、だん〳〵平凡化して来た。此処にいふもおずしやうじんの如きは、殊に名高いものになつて居た。 此村には万代(モズ)八幡宮といふ、堺大阪あたりに聞えた宮がある。其氏子は、正月三个日は、たとひどんな事があつても、肉食をせないで、物忌(モノイ)みにこもつた様に、慎んでゐなければならぬので、堺あたり

文字遣い

新字旧仮名

初出

「郷土研究 第二巻第一号」1914(大正3)年3月、「郷土研究 第四巻第七号」1916(大正5)年10月、「土俗と伝説 第一巻第一号」1918(大正7)年8月、「土俗と伝説 第一巻第三号」1918(大正7)年10月

底本

  • 折口信夫全集 3
  • 中央公論社
  • 1995(平成7)年4月10日