れきしのながれのなかのとしょかん ――こじんてきなものからしゅうだんてきなものへ――
歴史の流れの中の図書館 ――個人的なものから集団的なものへ――

冒頭文

何か急流のように流れている世の中である。大きな潮の高まりが、せき止めようもなく、高まってゆき、何ものもがその流れの中に、身をゆすぶっているような感じである。 この流れが何処から起り、何処に流れてゆくか、誰も見定めることができない。ちょうど潮の干満が、遠い遠い月の世界と関係があると、誰が想像し得たであろう。 しかし、この流れの中で、一つの事は間違うことなく見定め得る。経済機構の発

文字遣い

新字新仮名

初出

「読書春秋」1951(昭和26)年5月

底本

  • 論理とその実践――組織論から図書館像へ――
  • てんびん社
  • 1972(昭和47)年11月20日