こくりつこっかいとしょかん
国立国会図書館

冒頭文

戦後の春、こんなところにと思われる爆撃の跡に、一杯に青草が生えて来た。 自然にとって戦争なんて、一つの物理的現象にしかすぎなかったのかとつくづく驚かされた。しかし、文化というか、十万年の人間の発生史の目指した大きな方向も決して、この五千年の歴史の制度のみに左右されてはいない。自然のこころに似た大きな広い流れが歴史の底にも流れている。 アレクサンダーが戦を起して、多くの人々が印度

文字遣い

新字新仮名

初出

「婦人公論」1950(昭和25)年4月

底本

  • 論理とその実践――組織論から図書館像へ――
  • てんびん社
  • 1972(昭和47)年11月20日