あんごのしんにほんちり 10 コマじんじゃのまつりのふえ――むさしののまき――
安吾の新日本地理 10 高麗神社の祭の笛――武蔵野の巻――

冒頭文

今日では埼玉県入間郡高麗(コマ)村ですが、昔は武蔵の国の高麗郡であり、高麗村でありました。東京からそこへ行くには池袋駅から西武電車の飯能(ハンノウ)行きで終点まで行き、吾野(アガノ)行きに乗りかえ(同じ西武電車だが池袋から吾野行きの直通はなく、いっぺん飯能で乗りかえなければならない)飯能から二ツ目の駅が高麗(コマ)です。高麗村の北側背面は正丸峠を越えて秩父に通じ、東南は高麗峠を越えて飯能に、また高

文字遣い

新字新仮名

初出

「文藝春秋 第二九巻第一六号」1951(昭和26)年12月1日

底本

  • 坂口安吾全集 11
  • 筑摩書房
  • 1998(平成10)年12月20日