つきひのはなし
月日の話

冒頭文

歳末にコヨミをもらってページをくりつゝ新しい年を考える。 今月の歴史というところを読むと、異様な気がするのである。このことは一般の人々は気付かないことで、それが普通なのだが、小説家、特に歴史小説を書いている私などから見ると、大変奇妙に思われることが多い。 たとえば、義士の討入はころは元禄十四年極月(十二月)十四日とナニワ節にうたわれていることはたれも知る通りである。

文字遣い

新字新仮名

初出

「読売新聞 第二六五九五号」1951(昭和26)年1月1日

底本

  • 坂口安吾全集 11
  • 筑摩書房
  • 1998(平成10)年12月20日