やまごしのあみだぞうのがいん
山越しの阿弥陀像の画因

冒頭文

極樂の東門に 向ふ難波の西の海 入り日の影も 舞ふとかや 渡來文化が、渡來當時の姿をさながら持ち傳へてゐると思はれながら、いつか内容は、我が國生得のものと入りかはつてゐる。さうした例の一つとして、日本人の考へた山越しの阿彌陀像の由來と、之が書きたくなつた、私一個の事情をこゝに書きつける。 「山越しの彌陀をめぐる不思議」——大體かう言ふ表題だつたと思ふ。美術雜誌か何かに出たのだらうと思はれる拔き

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「八雲 第三輯」1944(昭和19)年7月

底本

  • 折口信夫全集 第廿七巻
  • 中央公論社
  • 1956(昭和31)年11月5日