ふたりまちやっこ |
| 二人町奴 |
冒頭文
1「それ喧嘩だ」「浪人組同志だ」「あぶないあぶない、逃げろ逃げろ」 ワーッと群衆なだれを打ち、一時に左右へ開いたが、遠巻きにして眺めている。 浪人組の頭深見十左衛門、その子息の十三郎、これが一方の喧嘩頭、従うもの二三十人、いずれも武道鍛練の、度胸の据わった連中である。 その相手は土岐(とき)与左衛門と、その一味の浪人組、その数およそ三四十人。 おりから春、桜花の盛り、所は浅草観世音境内
文字遣い
新字新仮名
初出
「少年倶楽部」1927(昭和2)年4月
底本
- 国枝史郎伝奇全集 巻六
- 未知谷
- 1993(平成5)年9月30日