おうむぐらかえくびでんせつ
鸚鵡蔵代首伝説

冒頭文

仇な女と少年武士 「可愛い坊ちゃんね」 「何を申す無礼な」 「綺麗な前髪ですこと」 「うるさい」 「お幾歳(いくつ)?」 「幾歳でもよい」 「十四、それとも十五かしら」 「うるさいと申すに」 「お寺小姓? それとも歌舞伎の若衆?」 「斬るぞ!」 「ホ、ホ、ホ、斬るぞ、うるさい、無礼、なんて、大変威張るのね、いっそ可愛いいわ。……そうねえ、そんなように厳めしい言葉づかいするとこ

文字遣い

新字新仮名

初出

「冨士 特別増大号」1937(昭和12)年9月

底本

  • 国枝史郎伝奇全集 巻六
  • 未知谷
  • 1993(平成5)年9月30日