ぜんきてんまやけ
前記天満焼

冒頭文

1 ここは大阪天満通(てんまとおり)の大塩中斎(おおしおちゅうさい)の塾である。 今講義が始まっている。 「王陽明の学説は、陸象山から発している。その象山の学説は、朱子の学から発している。周濂溪(しゅうれんけい)、張横渠(ちょうおうきょ)、程明道(ていめいどう)、程伊川(ていいせん)、これらの学説を集成したものが、すなわち朱子の学である。……朱子の学説を要約すれば、洒掃応待の

文字遣い

新字新仮名

初出

「文芸倶楽部」1927(昭和2)年6月~10月

底本

  • 国枝史郎伝奇全集 巻5
  • 未知谷
  • 1993(平成5)年7月20日