ちしきとせいじとのゆうり
知識と政治との遊離

冒頭文

現在往々にして、知識層が政治に期待を失って、その行動の方向を失わんとしつつあると伝えられている。それは敗戦再出発の歴史的瞬間にある日本民族にとって、寒心すべき事態であるといえよう。 何故、知識層が、政治より絶望し、遊離し、やがて現実そのものも自棄的に放擲するような事となるのであろうか。案外その理由と歴史は深くかつ遠いのであるまいか。その基礎と様態について省みてみたい。 私は政治

文字遣い

新字新仮名

初出

「改造」1948(昭和23)年12月号

底本

  • 論理とその実践――組織論から図書館像へ――
  • てんびん社
  • 1972(昭和47)年11月20日