としょかんのみらいぞう |
図書館の未来像 |
冒頭文
概念は常に、技術の進展とともに変化してきた。図書館の概念もみずから、異なり発展しつつある。 文庫時代は、それは封建領主の財宝であって、大衆へのサービスの機能は全然考えられていないのである。ギリシャ、ローマ時代も、その意味では同じである。 図書館の名前の館の意味する、大衆の出入する意味に転化するのは、その文化様相の転換が、みずからその意味を創造してきたというべきであろう。
文字遣い
新字新仮名
初出
「図書館年鑑」1951(昭和26)年10月
底本
- 中井正一評論集
- 岩波文庫、岩波書店
- 1995(平成7)年6月16日