カリフォルニアのたからじま (おとぎぼうけんだん) |
加利福尼亜の宝島 (お伽冒険談) |
冒頭文
一 「小豆島(あずきじま)紋太夫が捕らえられたそうな」 「いよいよ天運尽きたと見える」 「八幡船の後胤もこれでいよいよ根絶やしか。ちょっと惜しいような気もするな」 「住吉の浜で切られるそうな」 「末代までの語り草じゃ、これは是非とも見に行かずばなるまい」 「あれほど鳴らした海賊の長(おさ)、さぞ立派な最期(さいご)をとげようぞ」 摂津国(せっつのくに)大坂の町では寄るとさわると噂
文字遣い
新字新仮名
初出
「中学世界」博文館、1925(大正14)年1月~8月
底本
- 十二神貝十郎手柄話
- 国枝史郎伝奇文庫17、講談社
- 1976(昭和51)年9月12日