めいじかいか あんごとりものちょう どくしゃへのこうじょう
明治開化 安吾捕物帖 読者への口上

冒頭文

この捕物帖はたいがい五段からできています。第一段は虎之介が海舟を訪ねて事件の説明にかかること。(但し、この段は省くことがあります。)第二は事件の説明。第三は海舟が推理のこと。第四段は新十郎が犯人を見つけだすこと。第五段は海舟が負け惜しみを云うこと。以上のうち第二段がほぼ全体の六分の五をしめ、全部が六十枚なら、この段に五十枚、他は全部を合せても十枚ぐらいで、これが解決です。 捕物帖のことで

文字遣い

新字新仮名

初出

「小説新潮 第五巻第一号」1951(昭和26)年1月1日

底本

  • 坂口安吾全集12
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1990(平成2)年8月28日