わがじんせいかん 06 (ろく) にちだいギャング
我が人生観 06 (六)日大ギャング

冒頭文

この原稿を書こうという予定の日になって、久しく忘れていた胃ケイレンを起した。まだ夜の十一時半である。ダンスホールのバンドの音がきこえていた。 私の毎日は夕方の五時六時ごろから七時八時ごろまで、酒をのんで、すぐねむる。十一時半か十二時ぐらいに目がさめる。それから仕事にかかる習慣であった。 机に向うと胃が痛みだした。胃が冷えたせいらしいから、帯をグルグル胃にまいて、しばらく仰臥して

文字遣い

新字新仮名

初出

「新潮 第四七巻第一一号」1950(昭和25)年11月1日

底本

  • 坂口安吾全集 09
  • 筑摩書房
  • 1998(平成10)年10月20日