びんじょうがたのぼうりょく ――けいりんそのた――
便乗型の暴力 ――競輪その他――

冒頭文

競輪というと八百長騒ぎが景物のようだが、終戦後急速に流行して、組織が完備していないからいろいろのトラブルが起るのは仕方のないことで現にそうだからといって、競輪の性格がそういうものだときまってるワケでもなかろう。組織が完備すれば、八百長も減少して、競馬なみにはなるだろう。 トバクに八百長のつきまとうのは、泥棒や浜のマサゴと同じものかも知れないが、観衆がこれを看破して抗議するのは当然のこと、

文字遣い

新字新仮名

初出

「読売新聞 第二六二八〇号」1950(昭和25)年2月20日

底本

  • 坂口安吾全集 09
  • 筑摩書房
  • 1998(平成10)年10月20日