インテリのかんしょう
インテリの感傷

冒頭文

今度の選挙で共産党が三十五人になったのは、民自党の二百六十何名同様予想を絶した現象であったが、這般(しゃはん)の理由は、だいたい新聞の報ずるようなものであったろう。私としては、むしろ、急速に共産党を第一党にふくれあがらせ、政権をとらせてみたい。そうすれば、共産党のバカラシサ、非現実性は、すぐバクロする。政治が、民衆のものとなり、現実のものとなるのは、それからだろうと私は思う。日本を安定させるには、

文字遣い

新字新仮名

初出

「文藝春秋 第二七巻第三号」1949(昭和24)年3月1日

底本

  • 坂口安吾全集 07
  • 筑摩書房
  • 1998(平成10)年8月20日